合気道における藤平光一という人は、心身統一合気道の創始者です。
藤平光一は、19歳の時に合気道の開祖植芝盛平に入門し、慶応大学卒業後陸軍に入隊し、中国への派遣の時の体験から「気の原理」につながっているといわれています。
アメリカ各地で合気道の指導をした時期もあります。
合気会の師範部長を務めていたものの、2代目道主植芝吉祥丸のアメリカ各地の道場への指示が発端となり、合気会から独立しています。
合気会からの独立に伴い、心身統一合気道会を立ち上げています。
藤平光一の心身統一とは?
心身統一合気道会の創始者である藤平光一が、重要としたものは「心身統一」ということです。
「心身統一」とは、「気」や「天地の理」を重視し、心と体を一つにすることです。
多くの人は、うまく「気」を使いこなしていないことや、心と体が不統一の状態であることが「気」を使いこなせないという相反関係を問題だと考えられています。
心身統一合気道会は、心身統一の概念を体現化したものといえます。
心身統一合気道においては、相手の心を導く前に自分の心をコントロールすることがなければ、他者の心は導くことができないと考えられています。
私たちは、心と体を持ち、心は体の状態にも多大な影響を与えます。
このことが、「気の原理」と言われ、心が体を動かすという解釈ができます。
心身統一の四大原則と心身統一合気道の五原則
合気道の本家本流の合気会から独立した心身統一合気道会は、心身統一の四大原則と心身統一合気道の五原則を掲げた特徴を持つ藤平光一が立ち上げた流派といえます。
「気の原理」と言われるものを体現するために、臍下丹田の一点に心を鎮め統一し、体の全ての部分の重みを丹田の下部におき、気を出すという四大原則を掲げています。
また、合気道の技にも、気を出すことや相手の気を感じといった五原則と呼ばれることをあげ、人間の心のあり方を中心とした概念を形成しています。
心が体を動かし、体を動かすことで気を最大限に活用できるということだと解釈できます。
合気道を技の面からではなく、人間の持つ心の部分に注目し、精神的な状態からの合気道のあり方を追求し構築された流派といえます。
合気道における藤平光一の功績とは?
藤平光一という人は、開祖植芝盛平の弟子として合気道を稽古し、合気会の発足後に、独自の流派として心身統一合気道会を立ち上げています。
この流派において、合気道の技の解釈からの深化よりも、人間の体の動きの底にある心に着眼しての「気」というものの解釈からの深化を求めています。
藤平光一という人は、合気道の深化に寄与した植芝盛平翁の継承者の一人であったといえます。