合気道で稽古する正面打ち一教や入り身投げといった基本技と呼んでいるものが、基本の型といえます。
合気道においては、他の武道とは違い、「型」とはいわず「技」と呼んでいます。
呼び名に違いはあるものの、両者の意味は同意と考えられます。
さらに、流派によって技の名称や所作に多少の違いはありますが、根本原理は同一と考えられます。
基本の型と呼ばれる技の前に習得するべき、基本動作についても流派によって多少の取り扱いに違いが見られます。
合気道における基本の型は?
まず、合気道の技の型を稽古する前に、必要とされる構えや体さばきの基本の型を考えてみます。
合気道の主流派である合気会系で稽古されている基本の型については、経験がないので参考文献からの知識ということになりますが、次のようなものになります。
基本の型として、正座、構え、入り身転換、転換、体の変更、膝行、受身といったものが挙げられます。
これらの基本の型は単独での稽古になり、習得した段階で技の型の稽古に進むことになります。
合気道の稽古は、これらの基本の型を利用しながら、相対で技の型を反復稽古することになります。
広義で捉えれば、基本技と呼ばれるものは、基本の型といえます。
基本の型としては、正面打ち一教、正面打ち入り身投げ、片手取り四方投げ、突小手返し等々が挙げられ、相対での型の稽古を行います。
養神館合気道における基本の型は?
私が稽古していた養神館合気道においては、基本の型としては以下のものが規定されていました。
構え(右、左)、そして体の変更(一、二)、譬力の養成(一、二)、週末動作(一、二)が挙げられます。
これらは、基本技と区別した名称で基本動作とされるもので、稽古の最初と最後に有段者でも毎回稽古していたものです。
基本の型の動きと基本技との関連性は、どの流派においても密接であり型の使用をせずに合気道の稽古は成立しません。
養神館合気道の場合、私見ですが、型という呼び方と技という名称の線引きはあまり意識しなくても良いのではないかと思います。
合気道の基本の型の習得は?
前述のように、合気道の基本の型と呼ばれているものは、基本技の型とも読めます。
合気道の技の稽古は、相対での型の稽古といえます。
基本の型の習得のためには、まず単独での動作を稽古して動きを覚え、相対で力の相互作用を感じながら技としての作用を稽古します。
これらを反復することで、徐々に相手との力の流れを感じ、技の先にある呼吸力というものを体得していきます。
基本の型の稽古は、武道の稽古でいう守破離の守の段階といえ、合気道の本質を捉えるまでの土台となります。