合気道は日本古来の武道の一つとされるもので、中国にも同様の武術があります。
合気道は、もともと体術としての大東流などの合気術が元となり、植芝盛平翁によって創始されています。
中国でも、中国大陸に起源を持つ武術の総称として中国武術があります。
中国武術は、中国拳法ともいわれ、徒手技術である拳法のみではなく、武器を使うものも含まれています。
合気道の短刀や剣、杖といったものと同様と考えられます。
中国の武術とは?
中国の武術といえば、少林拳や太極拳といったものが挙げられます。
現在の中国の武術の目的は、「看」、「健身」、「実用」という3点といわれています。
すなわち、見た目に美しい演武をすること、体を鍛えて健康になること、相手を殺傷できることの3点になります。
これらの3点の目的からすると、「看」の面からは表演武術太極拳、「健身」の面からは太極拳、「実用」の面からは散打と呼ばれる対戦スポーツ形式の競技と伝統的な流派の存在といえます。
中国の武術も、日本の武術や武道と同様に深化しているようです。
合気道と中国の武術の相違は?
合気道は、大東流などの体術を土台とした合気術に独自の「相和す」という概念を加えて創始された武道で、自分と相手のダメージを最小限に制圧することに主眼が置かれています。
一方の中国の武術は、最終目的として相手の殺傷を可能にすることを一つの目的としています。
この点が、合気道と中国武術の最大の相違といえます。
相手の制圧を目的とした術を重視した中国の武術とは違い、合気道は、時代の変化で術としての重要性から技への意味合いを強くしています。
合気道と中国武術の共通点も?
合気道と中国の武術は、起源の違いこそあれ、そもそもの目的は護身と相手の制圧を徒手あるいは武器によって行うことを目的として深化してきています。
このため、自己の体の鍛錬を必要とし、その結果として自己の体の健康増進につながります。
徒手による体術という点では、合気道と少林拳や太極拳といったものの体の使い方には、似たような動きも見受けれます。
しかしながら、中国の武術にみられるような相手を殺傷してしまうような技は、基本的には合気道にはありません。
ただ、使い方によっては、合気道の技も殺傷可能なものになりえます。
現代においての合気道と中国の武術は、戦場などの実践といわれる場での術としての技の使用目的というよりも、演武と健康増進法としての利用は共通しているといえます。