合気道の一教とは、技の稽古の第一歩といえます。
合気道の一教とは、手刀で打ってきた相手の腕を取り、肘を返して相手の脇腹を伸ばして腹ばいに抑えて制圧をする技です。
合気道の稽古の最初に基本動作として、体の転換法や構え、それに足さばき、体さばき、膝行や受身を稽古します。
そのあとに、合気道の技の最初の稽古となるのが、合気道の一教と呼ばれるものといえます。
合気道の一教とはどんなもの?
合気道の一教とは、基本技とされる固め技の一つといえます。
基本技の固め技には、一教から五教まであり、攻撃の種類に応じたさまざまな技が存在しています。
合気道の一教とは、手刀で正面を打たれた際にはその手刀の手首あたりを受け、反対のあいている手を肘に当てにいきます。
その相手の腕の肘を前方に返すことで、相手の脇腹を伸ばし体勢を崩しながら腹ばいに抑えていきます。
腰は相手の中心線の方向に向け、自分の真正面で相手を裁くことを意識しておくことが重要です。
一教とは、表と裏といわれるものがありますが、これには正面を打たれた際の腕の裁きを自分の前で、すなわち内さばきで行うものを表、相手の攻撃の線の外側に出てさばく外捌きの裏ということになります。
これは、相手の手刀の打ち込みの強さやスピードによって捌きを変えることによって、相手の力を有効利用するために行います。
これらは、正面打ちの際の一教のやり方となりますが、攻撃の種類によって一教といっても捌きが違ってきますので、それぞれの攻撃に応じた技の稽古が必要となります。
合気道の一教の稽古の仕方は?
合気道の一教を稽古するためには、合気道で使う体の動きを習得しておく必要があります。
まず、合気道での礼法を覚えます。
その後、技に直結する自分の体の動かし方に関して、構え、足運び、足さばき、体の変換といったものと怪我を防ぐための受身、それに合気道特有の膝行という座った状態での移動方法等を繰り返し稽古します。
これらの基本的な動きができないと技の動きもできないため、反射的に動けるまでの反復稽古が必要です。
合気道の一教は、基本動作の組み合わせと相手の腕の裁きを組み合わせたものとなり、相対で稽古をすることになります。
相対での稽古の中で、注意するのは技がかかっていない状態で、受けが技の流れを考慮して受けを取らないことです。
この受けの取り方を繰り返していると、本来の技としての稽古にならず、攻撃側にも受け側にも意味のないことになってしまいます。
技の稽古で技がかからない場合、よく観察し原因を考えた上で、修正しながら反復稽古することが必要です。
合気道の技の最初としての一教とは?
合気道の一教とは、技の稽古のはじめの一歩ということは前述した通りです。
何事にも最初が肝心ですが、合気道の一教は、最初の技と言いながら合気道の真髄をかなり取り入れた技であり、動きは簡単なのですが、なかなか難しい技でもあります。
相手と正対した際に最も接近する相手の腕の扱い方の習得は、相手との間合いの取り方やタイミングのはかりかた等々のさまざまな要素の判断を必要とし、そのことが一教の取得に多大なる関連があります。
一教だけではなく、他の技もですが、段階的に丁寧な稽古で体得していくことが重要です。