合気道は実戦では使えない?

合気道は実戦では使えないという指摘は、無意味です。

合気道には攻撃技が基本的にはないために、空手や柔道といった他の武道に比較すると実戦では使えないと指摘する人もいて、武道を多少なりとも稽古したことのある人なら一度は話題になるかもしれません。

しかし、個人的にはこの話題は、無意味だと思っています。

武道の起源はそもそも武術にあり、戦術の違いが武術の技の違いであり、その武術に精神性が加わることで武道へと発展しています。

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合気道を他の武道と比較したら?

合気道と他の武道とを比較すると、最も大きく違う点は、先に述べたように攻撃技の有無であろうと思います。

空手や柔道といった武道では、攻撃技を中心とした武術に精神性を付加して武道となっており、合気道では相手の攻撃を見切った後に技をしかけるというものが多いために、攻撃性の低さから、実戦では使えないという主張があります。

しかしながら、相手の攻撃を合気道では体さばきや受け技でかわすことで、相手の攻撃をまともに受けることがないようにしています。

突きや蹴りなどの攻撃技もこちらに当たりさえしなければ差し障りなく、その攻撃技で体勢を崩した状態の攻撃側への対応技を仕掛けるタイミングが取れるということにもなり、合気道が実戦で使えないということにはならないと思います。

ただ、これらの攻撃技をかわすには、それなりの稽古で技量を体得した人でなければ無理であるとも思います。

合気道を実戦で使うとしたら?

仮に、実戦で合気道を使うとした場合、技の型を中心に稽古しているものそのものを使用することは、まずできないと思います。

相手の人数や攻撃方法や間合いといった状況に応じて、基本動作の体さばきでまず自分の立ち位置の安全を確保した上で、当身を多用したさばきと投げ技を多用することが想像できます。

開祖植芝盛平翁が、実戦では当身が7割になるとおっしゃっていたように、実戦で細々した技を繰り出して相手を制圧するというよりも、当身での投げ技や入り身での相手の攻撃をさばくということだと思います。

空手の正拳突きや蹴りでの相手の一撃必殺という攻撃性の高い技ではなく、合気道では「合い和す」という精神からの応じ技での対応になるため、相手へのダメージも強烈なものではないということになります。

合気道を実戦で使用する場合、相手をいかに攻撃するかではなく、自分の身をいかに守り、いかにその場を安全に切り抜けるかとが重要ということです。

日頃の稽古で実戦を意識して?

合気道の稽古は、型の稽古が中心となり、ある程度の期間稽古すれば、技のやり方は覚えてきます。

すると技がかかっているか否かに関わらず、受けをとって技の形を作って稽古する人が出てきます。

このような稽古では、実戦で使えない合気道の典型になってしまいます。

合気道も体術の一つとしての武術であり、技の稽古の際に実戦を意識し、技をかける側も技がかかっていなければ止めて修正を加え、受けも技がかかっていなければ安易に受けを取らないことが大切です。

一つ一つの技を丁寧に確認し修正を加え、技がかかることを意識した稽古をすることが、実戦でも使える技の稽古につながると思います。

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