武士道の伝統を受け継ぐ武技の修練と精神鍛錬を併せ持つ日本の武道には、柔道、剣道、弓道、相撲、空手道、合気道、少林寺拳法、なぎなた、銃剣道の9種類があります。
古武術を源流とする柔道と合気道は、同様な精神鍛錬の基本を持ちながらも、試合形式の有無によって、それぞれの技の構成が変化しています。
一般的によく対比される合気道と空手ですが、どちらも日本の武道とはいえ、違いを明確に説明しずらいかもしれません。
ここでは、合気道と空手のどちらが強いのか、どんな違いがあるのかなど、似た印象を持たれがちな二つの武道についてご紹介します。
合気道と空手の違いは?何が違うの?
合気道と空手は同じ武道に属する競技として認定されていますが、技の構成や試合の有無、稽古着などに違いがみられます。
武道としての精神鍛錬については、二つの武道に共通点も多いのですが、空手と違い合気道には、先に攻撃を仕掛ける技がありません。
この違いは、合気道が対峙する相手と呼吸を合わせ相和すという「合気」の精神性を反映した技の構築となっているためです。
また、合気道では自分から突きや蹴りといった攻撃手法がないだけでなく、関節を詰める技や投げ技をメインとするのも、空手とは違います。
その精神性の違いが、勝敗を決する「試合」のある空手と、「演武」のみの合気道の形態にも現れています。
そして、合気道では有段者となれば袴を履きますが、これには、ある一定水準以上の武道者の足捌きを周囲に知られない目的があり、実践を想定した古武道の印象が感じられます。
合気道と空手、どちらが強いのか?
戦国時代や戦時下で敵に対峙した場合に、どちらの武道が強いとか考えるのはナンセンスですが、実践に近い状況で役に立つのは合気道と空手、どちらなのでしょうか?
どちらの武道も一長一短があり、どちらが優れているというのは、局面や状況によって判断も結果も違います。
以前稽古をしていた養神館の潮田剛三館長が、「空手を極めた猛者の強烈な突きや蹴りも、当たらなければ無意味で、避けるための体捌きが重要」と言われていた言葉に、武道の真髄があるように思います。
相手を制圧するための技も、相手との接触のタイミングによって効果は違い、その瞬間の自分の体勢を保持できているかも重要となります。
技の習得はもちろん、追い詰められた状況下で冷静な精神状態を保ち判断ができる胆力を有することが大切で、合気道と空手のいずれは、それほどの問題ではないといえそうです。
技の体系にみられる合気道と空手の違い
合気道と空手は、自分から攻撃する技の有無をはじめ、相手の制圧に利用する技の違いなどに現れています。
突きや蹴りによる攻撃を主体とした技の構成がみられる空手に対し、合気道には自分から攻撃する技は存在しません。
また、合気道は、関節を利用した技や投げ技が多用され、相手を打ちのめすのではなく、捌いて制する護身的な技が中心です。
いずれも一長一短があり、どちらが優れているかよりも、稽古者がどれだけ真髄を得られるかが重要といえそうです。
