合気道には、座った状態からの技が存在します。
合気道には、他の武道とは違い立った状態からの技だけでなく室内を想定した座位、すなわち座った状態からの座技があります。
合気道は古武術の要素が含まれていて、室内での戦術対応としてできた技といえます。
座技の際には、膝行法と呼ばれる膝を使った体さばきを利用して行います。
座った状態からの座技の一教のやり方は?
座技の最も基本となるのが、座技の一教ということになると思います。
座技の一教は、まず仕手と受けが正対して正座の状態で向き合い、その間合いは膝と膝の間隔を約こぶし2つ分ほどとります。
次に、足の指を立て半身の状態に構え、相手の正面打ちを同じく正面打ちで受けます。
受けた手は手刀のまま、下の手で肘をつかむようにあてがいます。
腕を伸ばしたままで膝行法を利用して、手刀と肘の固定している手と自分の中心線はそのままに、相手の側面自分の斜め前方に出ながら相手の体勢を下の方に崩します。
受けを倒すことができれば、そのまま締めに入ります。
この時に注意するのは、相手の腕と脇は直角に開いた状態での締めをすることです。
座技の一教はすべての座技の最初の一歩となりますので、丁寧に稽古する必要があります。
座技の要素である膝行のやり方は?
座技の膝行は、初心者には難易度が高く馴染みもないのでやりにくいものの一つですが、これができないと座技はまともにできません。
膝行は、まず正座の状態で座ります。
次に、つま先を立てて跪座(つま先立ちで膝は床についている)の状態をつくり、移動中もこの状態を維持します。
跪座の状態から膝を前に出し、それと同時に腰を回転させ後ろ足を引きつけて膝をつきます。
ついた膝を軸に腰を回転させ逆足の膝を前方に出すということを繰り返し行います。
つまり、通常の立ち技であれば、右足と左足で歩く際の動きを変形したもので移動しますが、座技の場合、膝を利用して移動するというものになります。
その際の動きは、通常の生活ではあまり馴染みのあるものではないので、繰り返し練習する必要があります。
座技は立ち技と技の構造は同じ?
合気道での座技は、膝行という特殊な移動方法を必要としますが、技そのものの構造は同系列の技の立ち技と似ています。
まず立ち技を習得した後に、座技を稽古する方が効率的です。
それに膝行は慣れないとなかなかスムーズな移動が難しいので、繰り返して稽古することで克服できます。
膝行さえできるようになれば、立ち技を習得した状態での座技のやり方の体得も早いと思います。
座技の一教は、すべての座技の基本ですので反復して稽古することで他の座技の取り組みを楽にできると思います。