合気道の基礎技術は、体さばきと基本動作の中に集約されているといえます。
合気道の技は、自分の中心線上に相手をいかに追従させるか、言い換えれば、自分中心に相手を合わせるともいえます。
そのためには、自分の中心線をいかなる場面でも確保しなければならず、構え、基本動作と体さばきが重要になってきます。
流派によって、基本動作の規定が多少違いますが、合気会でいう入り身、転換、養神館合気道では体の変更(一)、(二)といったものが基礎技術といえます。
私が稽古していた養神館合気道の場合で、記述してみます。
基本動作としての体の変更(一)、(二)は?
体の変更(一)は、合気会でいう入り身の動きと同様のものといえます。
体の変更(一)は、相対した相手から手首を持たれ引かれた時の力の流れを変えながら、入り身の動きを学ぶものです。
入り身の定義や解釈については流派によって多少異なり、体の変更(一)は他流派からすると入り身と認識されない場合もあります。
合気道の基礎技術は、この体の変更(一)に集約されているといっても過言ではないほど重要です。
体の変更(二)は手首を持たれ押された際の受け流し動作で、前足を軸とした回転動作の基本動作になります。
合気会でいう転換動作に当たると思います。
体の変更(一)、(二)以外にも基本動作として、臂力の養成、終末動作というものもありますが、重心の移動と力の流し方を習得する体のさばきを習得する基礎といえます。
基礎技術を土台にした技の型は?
合気道の基礎技術は、入り身と回転動作に集約されることは、前述の通りです。
合気道は、これらの基礎技術をもとにした基本技の型を中心として、反復稽古します。
基本技の稽古の意義は、実践的ではないと言われますが、なぜ基本技を稽古するのかといえば、次のような理由が挙げられます。
基本技は、合気道の基礎技術を土台とし、人間の体の構造に適した動きや力の出し方、受け方、流し方を学ぶという点にあると考えられます。
多種多様な場面での技の使用が考えられる中で、特定の条件設定をした基本技を反復稽古することで、最適な力の出し方、相手の反応、それに対する対応等について最適な動きと精神性を体得することが可能になるといえます。
合気道の基礎技術は基本動作で?
合気道の流派によって、基本動作とされるものの動きのニュアンスや名称に多少の違いはありますが、入り身と回転動作による体さばきが基礎技術の中で最も重要と考えられます。
特に、合気道の技術の中で、入り身という動きは、この一本に合気道の技の動きが集約されているといえるほどです。
入り身の解釈には、流派によっては当身を加えるものもあり、多少の違いがあります。
何にしても、基礎技術としての入り身は、合気道の各流派において重要な基礎技術といえます。