合気道の流派による試合の取り扱いは?

合気道の流派の中で、合気道S.A.と日本合気道協会では試合を取り入れています。

合気道は、「合い和す」つまり「天地の気に合する道」と言われる武道であり、基本的には試合という形態を取らず、演武という形態をとっています。

合気道本家本流から分派した流派で、養神館からさらに分派した合気道S.A.においては、試合形式を取り入れた代表的な流派といえます。

他に、日本合気道協会では、演武競技と乱取り競技を取り入れ、ポイント制の試合を取り入れた流派です。

しかしながら、合気道において試合を取り入れた流派は、少数派といえます。

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合気道S.A.での試合とは?

合気道S.A.は、養神館合気道で修行された櫻井文夫師範が、合気道の実践使用を目指して立ち上げた合気道団体といえます。

合気道S.A.では、打撃技と組手を取り入れて試合形式が実施されています。

試合形式には、次の3つがあります。

実践リアル合気道ルールトーナメント、伝統合気道ルールトーナメント、新人戦トーナメントの三種類です。

最初にあげた二つのトーナメントについては、他流派からも参加可能になっていることも特徴的なものです。

試合のルールには、体重70キロ以下と体重70キロ以上での線引きをした上で、畳50畳の試合会場内で、本戦5分間で勝敗を決めます。

本線引き分けの場合、延長戦を実施し、先に有効をとった方を勝者と反則等による判定規定も設定されています。

試合中の打撃技、関節技、入り身技、寝技、足技等については使用可能なものと禁止項目も規定されていますが、基本的には、直接打撃制が取り入れられています。

日本合気道協会の競技会は?

日本合気道協会での競技には、前述したように演武競技と乱取り競技があります。

演武競技においては、対徒手と対武器のに種類があり、相対での二人一組での競技になり、制限時間内の技を複数の審判員が採点し、その合計点数により順位づけします。

また、乱取り競技には、短刀乱取り競技と徒手乱取り競技があります。

短刀乱取り競技は、一対一の個人競技で、前後半90秒の3分の試合時間で、前後半で短刀側と徒手側を交代し、ポイント制で争います。

それぞれの技に応じたポイント数が決められていて、試合時間内のポイント数で勝敗が決まります。

徒手乱取り競技においては、一対一の個人競技で、互いに規定の17の技を掛け合う競技となります。

この17本の技は自由にかけて良いものになっています。

いずれも、ポイント制の試合の形態をとっています。

合気道の試合の是非は?

合気道は、そもそも「合い和す」という基本概念の元に開祖植芝盛平翁が創始された武道でありますが、元々は合気術としての体術が起源です。

その意味からすると、試合形式を取り入れることは、武術としての解釈からすれば不思議なことではなく、合気道の中の流派にあって当然のものかもしれません。

ただ、合気術に精神性を加味して合気道となっている主流派やそこから分派した流派からすると異質なものとなり、試合形式をとる流派は少数派となっています。

試合形式のものの是非については、合気道をどう解釈するかによって変わってくると思います。

一度、合気道を体験され、試合の是非については体感されることをお勧めします。

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