合気道における投げは、柔道などのものとは意味合いが違います。
そもそも投げは、相手の体の一部をつかんだり、相手からつかまれたりした状態から、相手を押したり、引いたり、ひねったりするなどの力を加えて相手の体勢を崩し、投げ倒す技の総称といえます。
レスリング、柔道そして合気道などのスポーツや武道で使われる技といえます。
合気道の投げは、柔道と比較してみると、やや遠い間合いでの技といえます。
合気道の投げの特徴は?
合気道における投げの特徴は、相手の体幹に近い襟や帯をつかまずに、腕をつかみます。
柔道のように相手を完全に担いだり、足をかけたりといった技ではなく、真下というよりも前に遠く押し飛ばすような技が多いのも特徴といえます。
また、投げの後に相手が受け身をとって立ち上がることを前提としているものも多く、投げ技単独での必殺技としての解釈をしておらず、投げの後の固め技との連携した技の構成になっています。
投げから固め技の一連の攻防により相手を制圧し完結することに主眼を置いているために、相手をうつ伏せに制圧することも特徴的です。
さらに、投げをかける側は固め技で最終的に相手を制圧するために、自分は倒れずに座るのみです。
合気道の投げ技とは?
合気道の投げ技としては、四方投げ、入り身投げ、小手返し、呼吸投げなどが挙げられます。
これらの投げと一教、二教等々の固め技との連携によって投げ技となります。
技の名称としては、例えば、四方投げ一教といったようになります。
合気道の投げ技は、実戦での使用を想定して、相手を一人というよりも複数人想定しているために、相手が受け身をとって立ち上がることも前提としているといえます。
合気道の投げは、相手との間合いを確保し、自分の中心線を維持し、自分と相手のダメージを最小限にした制圧方法といえます。
しかしながら、相手を投げる方向を前方ではなく、直下に落とすことで必殺技としての使用も可能であることを付け加えておきます。
合気道の投げ技の稽古方法と効果?
合気道の稽古方法においては、投げ技も基本技の一角をなすものとして含まれ、型としての反復稽古による習得ということになります。
それに、受けを取ることによって、受け身を取り立ち上がることの反復で、合気道に必要な体づくりにもつながります。
合気道の投げ技の稽古は、相手との間合いやタイミングの取り方、それに加え、受けにとっても体づくりに有効といえます。
投げ技と固め技の組み合わせは、乱取り稽古の際などは、自分の体勢や相手の対応に応じた組み合わせを、瞬間的に判断する必要があるといえます。