合気道の投げ技は、柔道の投げ技とは異なるものです。
合気道の投げ技は腕を掴み、柔道のように担いだり足をかけたりする技ではなく、真下にというよりは前に押し投げるような投げ技といえます。
合気道の投げ技は、頭から落とす形態を取らない限り一撃必殺の技にはならず、投げた後の固め技を必要とすることがあります。
そのため、投げ技の型においては、投げと固め技との一連のものが必要となります。
合気道の投げ技を使用する場合、相手を多人数と想定した実戦を加味したものとも解釈できます。
代表的な投げ技として、四方投げ、入り身投げ、小手返し等々があげられます。
合気道の投げ技の種類は?
合気道における投げ技の代表的な種類としては、前述の通り、四方投げ、入り身投げ、小手返しといった技があげれます。
入り身投げとは、基本動作の入り身を利用して相手の背後に回り込み、相手の体勢を背後に崩してそのまま後方へ投げ倒す技です。
四方投げとは、相手の手首を取り腕の外側から相手の腕をくぐりながら外側にねじりつつ、相手の腕を折りたたんで肩関節までを固め、腕を相手の後方に持って行き斜め後方に倒す技です。
相手の腕を折りたたんで肘が曲がることによって、相手の力が手先に入らなくなる状態を作ることができ、その状態を利用した技といえます。
小手返しとは、相手の手首を取り、反対の手を相手の手の甲に添えつつ手首を返しながら、外側へ回転旋回し、肘関節を折り曲げ、前腕を外に回し、手関節を折り曲げたままで斜め前方へ投げる技です。
これも、四方投げ同様に、相手の腕を折り曲げることで手先に力の入らない状態を作り出した上で体勢を崩し、投げに持ち込みます。
投げ技と締め技との組み合わせは?
投げ技の代表的なものは、前述の通りですが、これらに投げた後の締め技、あるいは固め技の基本としては、一教、二教、三教、四教といったものが基本技としてあり、これらをそれぞれの投げ技と組み合わせることになります。
一教においては、腹ばいにさせた相手の腕を取り肘関節を稼動限界まで伸ばして抑えます。
二教においては、相手の手首を取り一教同様に肩関節を外に回転させた状態で膝まづかせ抑えます。
三教においても、相手の肘関節を90°屈曲させて回転し腹ばいにして抑えます。
四教においては、相手のツボを抑えることで体勢を崩し抑えます。
こうした抑え技と投げ技を組み合わせることで、本来の一つの投げ技となります。
例えば、四方投げを例にとってみると、相手の攻撃が正面打ちだったとした場合、正面打ち四方投げ一教という技の名称になるというわけです。
このように、技の名称については、相手の攻撃方法によるさばきの技の名称、そして締め技の名称によって構成されています。
組み合わせ次第で、技はかなりの数になるというわけです。
合気道の投げ技の稽古は?
合気道の投げ技といっても、基本技の型の一部であり、まずは、通常の稽古通りに相手との型の反復稽古になります。
基本の投げ技を習得できて、自由技や乱取りの稽古に進んでくれば、締め技や固め技を省略した投げ技だけの連続といったことも多々ありますが、基本は型の稽古できっちりと体得しておくべきです。
実際の技については、各稽古道場で師範の指導のもと体験されることをお勧めします。