合気道の師範が、異種格闘技の試合である巌流島に参加されたことがあります。
合気道においては、「相和す」という概念に基づいているため、基本的には試合形式のものではなく演武という形態をとります。
それゆえ、合気道は実戦で使用できるのか、合気道は強いのかといったさまざまな疑念の議論があります。
現在行われている異種格闘技の試合として、格闘技団体の巌流島というものがあります。
巌流島の試合に古武術の参加者はこれまでいなかったのですが、合気道の師範が一人参加しています。
格闘技団体の巌流島とは?
格闘技団体の巌流島とは、2014年に立ち上げられた新興格闘技団体で、3分3ラウンド寝技15秒でグランドサブミッションなしという試合設定になっています。
この巌流島競技の総則には、世界中全てのコンタクトスポーツ競技者に公平なルールのもと、主に立ち技での、あらゆる打撃技、関節技、投げ技等の技術、体力、知力を駆使し競い合うプロフェッショナル格闘競技としています。
開始当初は、ルールもあやふやで、批判等もあったものの、団体が解散することもなく現在に至っています。
巌流島の特徴といえば、他の格闘技にはない異種競技同士の変わったカードの試合があることです。
あまり見かけることのない武術やカポエイラの選手といった参加もあります。
巌流島に合気道の達人が参加?
異種格闘技の試合に合気道の達人が参加していました。
参加したのは、大円和流・合気柔術の師範である渡邊剛氏で、年齢59歳の方でした。
実際には、合気道でなく合気柔術の方ということですが、一般の方が見れば合気道と解釈してしまいます。
試合経験もスパーリングの経験もなくて参加されていることですので、無謀とも思えます。
結果は、案の定、開始早々合気術の渡邊氏の右フックは空振り、まさかの15秒でフックを受けてダウンという結末です。
合気術を20年稽古されていたようですが、その術を出すことなく最悪の結果といえます。
ただ、この試合後のコメントに「私一人を見て評価しないでほしい、本当に素晴らしい人もいる」という言葉があります。
しかし、巌流島に出てくる武術系の人たちが、負けていることが多いので、説得力に欠けている感じを受けざるを得ません。
実戦武術としての合気道は?
巌流島での合気術の達人と呼ばれる方の試合は、ともかく、実戦武術は存在しているのかと思ってしまいます。
実戦合気道と呼べるのは、塩田剛三氏が最後で、古流武術会に戦える人というのはどうなのか疑念を持たざるを得ません。
塩田剛三館長を見てきたものとしては、古武道の実践使用としての可能性を完全に否定はできませんし、武道の実践とは個人の技量の差が大きいものと考えます。