合気道には簡単に護身術として使える技があります。
護身術というと空手や柔術そして合気道といった武道を思い浮かべるかと思います。
スティーブンセガールが映画で相手をいとも簡単そうに制圧するアクションシーンで彼の技が合気道有段者であるがゆえに可能な護身術の数々を披露しています。
そのためにそういったイメージがある方も多いと思います。
素手の暴漢、凶器を持った暴漢とさまざま想定されますが、合気道でも素手の場合や武器を持った場合に合わせた技の数々があります。
目次
簡単に護身術の技を習得できる?
これだけ聞くと、後ろから羽交い締めされたり、腕を掴まれたりといった限定的なシチュエーションに対応した合気道の技を覚えれば簡単に護身術になると思われるかも
しれません。
現実には、養神館合気道経験約15年合気道二段の私でもとっさの場面で技を仕掛けることは簡単ではなく至難の技であると思います。
こう言ってしまうと合気道は護身術として使えないのではと思われるかもしれません。
合気道は相手と対して「相和す」ことを基本概念にしていますから、危機に直面した際、自分の身を守るのに必要な精神状態の置き方や相手との距離感の取り方そのものを感じる「気」の感じ方を習得することができます。
そして、技の反復稽古により体のさばき方と相手の制圧方法を体得することができます。
何より合気道を稽古することで、簡単に護身術として使えるのは合気道の「気を感じる考え方」かもしれません。
護身術として簡単に使える合気道の考え方は?
護身術として一番に挙げられるのは、危険だと感じる場所に近づかないことです。
それは合気道でもなんでもないじゃないかと言われそうですが、危険な気配つまり「気」を感じることは合気道の第一義でもあるのです。
それでも危険な場面に遭遇してしまった場合、深呼吸して呼吸を整え冷静になることです。
その状態を作ることは簡単なことではなく、合気道の稽古で段取りが分かっていても呼吸を整えることは非常に難しいことです。
さらに、呼吸を整えたら技を繰り出してやろうなどと考えず、大声を出して逃げることを考えることが自分の身を守るための護身術と言えます。
それでも、暴漢などに掴まれてしまったりしたら、相手に抵抗している力を抜いてみましょう。
自分が力を入れた状態だと相手も目一杯の力を込めてきます。
そこで、こちらが力を抜くと相手もおそらく一瞬ですが、力が抜ける間ができます。
その瞬間に逃げ出す体のさばき方に合気道の動きが有効になります。
合気道の技そのものを試す護身術ではなく考え方で!
合気道の稽古で相手を制圧する技の形は、意外と簡単に覚えられると思います。
護身術で簡単に合気道の技を繰り出し危険を回避しようとするより、合気道の稽古を通じて習得できる「気」の感じ方で危険を避けることがいちばんの護身術となると思います。
その「気」を感じるために合気道の稽古そのものは有効な手段だと思います。
そして、どうしてもという最終手段にしようしなければならない時に技を繰り出すために稽古するものだと思います。
合気道の稽古を体験して、普段は感じない相手の「気」を感じ技を習得されることをお勧めします。