合気道の稽古を道場だけでなく、日常の生活の中でもできることがあります。
合気道は、開祖植芝盛平翁が始めた日本古来の武道の一つで、武術に精神性を加えたものです。
武術としての技の稽古は、やはり道場でということが主になりますが、それに関連した精神鍛錬については道場だけではなく、日常生活も鍛錬の場になります。
それに合気道を通じて身につけられる「気」というものに対する感覚は、日常生活にも活用が可能だと思います。
合気道の稽古のやり方は?
合気道の稽古は、技の型を中心に一対一の相対の状態での反復稽古というやり方を取ります。
このやり方は、どの流派でも大差なく行われる基本的な稽古のやり方です。
技の型の稽古をある程度進めたのちには、自由技や乱取りといった実戦に少し近い状態での稽古のやり方をします。
技の型の稽古でも、その他の稽古のやり方の中でも、常に相手との間合いや動き周囲の状況といったことに気を配ることが重要です。
この状況判断の材料をいかに感じ、汲みとれるかで、自分の体の置きどころや技の仕掛けどころといったものに変化を生じます。
このことは、日常生活でも似たようなことが考えられます。
日常生活の中での鍛錬の方法は?
合気道の技をかけることは、技のやり方や構造を知っておくことは当然のことですが、その前提として周囲の状況や相手の状況等の判断を必要とします。
その際の視線の置き方は、日常生活の中でも鍛錬でき、ただ歩いている際にでも、どこに視線をやれば周囲を効率的に見渡せるかと意識するだけでも、技の稽古に活かすことができます。
人との距離感の取り方を考えることも、日常の生活の何気ない場面で意識を持っていれば、合気道の稽古の一つとなります。
このように、日常の生活の中でも合気道のさまざまな要素を鍛錬でき、これらのことは日常での危険回避にもつながります。
合気道は日常生活の一部に?
合気道を稽古することは、時間を作って道場に通い、頑張って技を稽古することだけではありません。
社会人であれば、仕事が忙しく道場に通えないこともあるかもしれません。
そんな時には、技の稽古だけにこだわらずに、合気道は日常生活の一部として考え、道場ではできない合気道の稽古を代わりにやるという意識を持つことで、道場での稽古の際の効率的な稽古につながります。
合気道は、技の習得はもちろんですが、「気」ということも大事なものです。
この「気」というのは、相手から受けるものと自分から発するものとがあります。
こういったことを、道場と日常生活の両方で絶え間なく意識しておくことが重要だと思います。