合気道に存在する多くの技の名称は、相手との最初の攻撃手法が記され、その後の対応技の名称が付け加えられます。
本家本流の合気会において、一教から三教までが基本の固め技であり、四教から十二教までが基本技として存在するものの、四教以降の技には四方投げなどの固有の名称で表示されることが一般的です。
多くの技の中でも最も基本となる1本目の技が、片手取り一教とよばれるもので、表と裏が存在します。
すべての技において、仕手の正面に力を押し込んで相手の体勢を崩して制圧する型を表とし、攻撃をしてくる相手の背後に入りこみながら技を仕掛けるものを裏といいます。
合気道の片手取り一教の表と裏のやり方
合気道の基本となる片手取り一教の表のやり方には、まず、相半身とよばれる状態で正対します。
相半身とは、仕手が右手右足が前に位置した状態の半身の姿勢であれば、受けも同様に右手右足が前にでた半身で構えた状態をいいます。
相半身の状態から、受けから仕手が手首をつかまれた腕を剣を振り上げる要領で切り上げ、そのまま入り身で前方へ進みながら振り上げた腕を切りおろします。
この腕の上げ下げと入り身の動作により、受けの肩が上がり、肘を外側に向けることができ、受けの体勢を崩すことができ、倒れる相手の動きに合わせて前進します。
受けを腹這いに制圧できれば、手のひらを天井にむけ手首と肘付近を掴み、跪坐の状態で、一教での固め技を施します。
一教の裏の場合には、受けが掴む腕を押し込んでくる力の作用を仕手が感じた場合、その力を利用して相手の背後に転換を利用して入りこみます。
その後の受けの崩しや固め技の方法については、表技と同様のやり方をします。
合気道の一教の習得のコツ
合気道の一教は、最も基本の技とされ、体さばきもシンプルなものですが、難易度が高い技ともいえます。
片手取りの状態からの腕の上げ下げによる相手の体勢の崩しには、剣の振り上げと斬りおろしの動作に共通しています。
そのため、徒手での技がうまくいかない場合には、単独での木刀の素振りがオススメです。
木刀の素振りをすることで、徒手でのさばきに動きのヒントがあり、習得のコツにもつながります。
可能であれば、木刀を握った状態での、相対での稽古をしてみることも上達の早道です。
合気道の片手取り一教には、技の基本要素が満載!
合気道の片手取り一教には、基本の構えから、入り身、転換といった体さばき、それに加えて、基本となる一教の固め技が含まれています。
技の型の稽古の第一歩目となる一教に関連したものには、合気道で必要とされる基本の相当な要素が含有されており、その動きのシンプルさゆえの難しさがあります。
動きをまずは覚え、木刀などの剣の素振りに加え、木刀を持った状態での相対稽古が、習得のコツにもつながります。
合気道の技は、古武術を源流としていますので、技の動きをつかみにくい時には剣を持った状態を考察することで理解が可能です。