合気道の初心者でも実戦で使える技はあります。
合気道に限らず武道を仮に実戦で使用しようとすれば、それなりの期間の稽古を積まないと不可能だと思われています。
合気道の場合も基本的には他の武道と同様にそれなりの期間の稽古を必要とはしますが、技の種類によっては初心者でも使えるものはあります。
合気道の「入り身投げ」は実戦でも効果的に効く
合気道の基本技の一つで「入り身投げ」という技があります。
この技は基本動作を習得した後、基本技として稽古する技の一つです。
私の稽古していた養神館合気道の場合ですが、入門するとまず基本動作として臂力の養成、体の変更、終末動作のそれぞれ(一)と(二)を稽古します。
その後、四方投げ、入り身投げ、一ヶ条から4ヶ条までの締め方の関連の基本技を一つ一つ稽古していきます。
基本技の中の最初の方で稽古する「入り身投げ」には合気道の技の中でもエキスが込められたような技です。
当身で相手を崩し、崩された相手の体制を戻そうとする力を利用して投げ相手を制圧するもので実戦でも効果的に使える技です。
技のやり方については、流派によって多少の違いがありますがここでは稽古していた養神館合気道を念頭に記述させていただきます。
「入り身投げ」はどうやるの?
「入り身投げ」はまず、仕手と受けが正対して立ちます。
仕手が受けの防御しようとする腕を誘うように、受けの正面に手刀を上段から振り下ろします。
受けが防御した腕を掴んだまま仕手は斜め前方に進みながら、受けの体勢を前のめりに崩します。
体勢を崩された受けは体勢を戻そうとしますから、その戻ろうとする力と仕手の当身の一種である入り身という形で受けの方に進みながら受けを投げるというものです。
この技は基本動作の体の変更(一)を基本とした技になります。
技自体は基本動作をしっかり稽古すれば、動き自体は難しいものではありません。
ただ、動きは単純なのですが技の効き目としてはかなりのものが期待でき、初心者でも実戦を想定すると使える技と言えると思います。
初心者は基本動作と基本技の反復で体得できる
合気道入門の初心者は、単独での基本動作の反復稽古がしばらく続くと思います。
それができるようになると基本技の反復稽古になります。
これらの反復稽古は上級者であってもやっていることです。
基本技の体の捌き方は、基本動作がベースとなりますので基本動作と基本技には密接な意味があります。
自分自身の体軸をしっかり固定することができ、相手の動きに対応した動きで技を使うためには基本が最も重要です。
すなわち、入門当初の初心者が稽古する基本動作と基本技の中にこそ実戦で使用できる技と体さばきの極意があると言えます。