合気道の技では、相手の腕を利用したものが非常に多いです。
合気道というと、相手の手首を捻って痛がらせたような状態で投げ飛ばすなどが、格闘シーンの映像でよく流されています。
確かに、合気道の技には、相手の腕を利用したものは多く、それは相手と最も接近している身体的な場所である腕を取ることで身体自体を制圧するためといえます。
相手の腕の中でも、手首や肘といった部分の扱いが最も重要で、技をかける際には、腕が折れ曲がらない状態にすることが重要なコツともいえます。
技をかける際の腕はどうするの?
技をかけられる側が基本的に嫌がる方向に折り曲げることは、技をかける側にとっても技をかけにくくなります。
合気道において技をかける際の鉄則は、手や腕を折り曲げないことで、技をかけようとする相手にも応用します。
受けの関節が稼動できる方向への関節の折れ曲がる状態にすることで、受けは力を出すことができず、倒れこむしかない状況となります。
これらは、日常生活の中で何気なく腕を使っていますが、腕を折れ曲がった状態では手先に力を込めることはしづらく、多少弓なりの状態での方が力を加えやすくなることによります。
技をかける相手に対しても、体の構造を利用した技を仕掛けることが最も有効になります。
腕を使った技の実際は?
腕を利用した技で一教を考えてみると、一方の手で相手の肘を抑え、そこを支点としてもう一方の手で肘から先の腕を上腕と折れ曲がる状態にし、受けの肩から先の手や腕の自由度をなくし、相手の手と自分の体の距離感は固定され、手は動かせなくなります。
その状態のまま、相手に力を加えることで、相手の体の中心に技をかけようとする方の力が加わり制圧することが可能になります。
この理屈は、四方投げや小手返しの場合も同じで、手首や肘を折り曲げた状態にすることで、相手の手先に力が入らない状況に持ち込んで技をかけることを可能にします。
人間の体の構造を利用した技の利用を?
合気道の技は、人間の体の構造を踏まえた上で論理的に構成されています。
人間の関節の動きの逆を取り、無理に技をかける方法を取らず、相手の可動域を利用しながらの無力化をはかっての技の利用法が多数あります。
合気道の技の型にはさまざまなものがありますが、腕を利用したものが多いのには、人間の体の構造を利用した結果といえます。
技がかからない場合、人間の体の作りそのものを考えてみることで解決することも多くあります。
合気道の技の構造は、関節の動きや力の加わり方等に関係があるためで、特に腕については重要であるといえます。