武道の達人といえば、屈強な肉体と強い精神力をもつ人のイメージがあるかもしれません。
そんな武道の中でも、華奢な女性でも大柄な人を投げられるような印象がある合気道は、少し印象が違います。
剣道や柔道、柔術などの武道に比べ歴史の浅い合気道は、対峙する敵となる相手の力を利用した技の構築がなされているため、さまざまなメリットを有しています。
合気道を習うことで得られるメリットやデメリットについて、約十五年ほど稽古し二段の認定を受けた経験を元にご紹介します。
合気道を稽古するメリットとは?
武道やスポーツを始める際には、身体の成長度合いや骨格形成などを考慮し適したタイミングを見計らう必要があります。
ところが、合気道では、自分の足で立ち歩くことができれば、いつからでも可能とされ身体の状態に合わせた稽古ができます。
しかも、性別や年齢などに制約もなく、基礎体力のない人でも稽古するうちに向上が図られ、稽古する相手との精神的なやり取りの中で自身の心のコントロールが上手になります。
合気道を習うことで、身体的な健康だけでなく、精神的な健康とさまざまに会得できるメリットが挙げられます。
特に、対峙する相手の呼吸や状態を観察し、敵対するのではなく制圧するために繰り出す技の習得は、相手だけでなく自身の怪我のリスクも軽減しています。
一方で、相手が居なくてはできない稽古内容が多いのは、デメリットのひとつです。
合気道の稽古でうまれるデメリットは?
合気道の稽古を始めることで、前述のような数々のメリットが得られますが、デメリットはないのでしょうか?
対峙する敵を屈するための技の稽古には、仮想の相手を想像しながら、自らの体の姿勢や動きをひとりで確認する以外は、相手を必要とします。
そのため、ひとりでの練習や稽古が難しいのがデメリットのひとつです。
また、さまざまなシチュエーションを想定した技の多さが、短期間で習得するのは難しいのもデメリットです。
その一方、簡単に覚えられた技を、実際に試してみたい衝動に駆られるのも理解できますが、数ヶ月稽古した人にチラホラ見受けられました。
安易に緊急事態に活用できると錯覚したり、危険な相手に対しても立ち向かえる思い違いは、人との無用な衝突を引き起こす最大のデメリットです。
合気道を稽古して得られるメリットとデメリット
老若男女を問わず稽古できる合気道は、身体的健康だけでなく、精神的な健康にもつながるメリットがあります。
さまざまな危険に直面した際、自分の身を守る技の習得には、ある程度の期間と稽古相手が必要であるのはデメリットかもしれません。
また、少し稽古して自分が強くなったと過信を持ちがちになるのが、初心者の最大のデメリットです。