生きている人すべてが、日々何気なく行なっている呼吸は、酸素を取り込み二酸化炭素を吐き出すだけでなく、肉体と精神の状態も左右します。
数年前には、ロングブレスという呼吸法によるダイエット法が話題となりましたが、人が呼吸する際に必要なエネルギーを活用した独特の着眼点にも思えます。
今では、競技の上達や結果にも大きな影響を与える呼吸に注目し、それぞれの競技に適した呼吸法が取り入れられています。
相手との呼吸を合わせる合気道では、技体系の一部に「呼吸法」として構築され、各道場の師範が習得のやり方やコツを伝授しています。
ここでは、合気道の真髄ともいえる呼吸法についてご紹介します。
呼吸法とは?呼吸のやり方で得られるメリットは?
何気なく息を吸って吐くを繰り返す呼吸ですが、ストレスなどが原因で、頭で思ったり感じている状況と身体の状態がズレ、思うように身体が動かない原因ともなります。
無意識でおこなっている「呼吸」を、自分の意志で、鼻から息を吸い、口から吐くといったコントロールを加える「呼吸法」の実行で体幹を鍛えることができます。
腹式呼吸と呼ばれる呼吸法は、横隔膜を動かし骨盤底筋を活発にし、脳への血流も良くし、全身の無駄な力が抜けることでリラックス効果も期待できます。
一般的な腹式呼吸のやり方は、合気道の稽古においても、余計な力みのない「自然な姿勢」が可能となり、上達のコツにもなります。
息を吸い込みながら技を仕掛けるのは難しく、相手の呼吸を観察し、タイミングをはかり相手の制圧を試みる技が、合気道における呼吸法に共通しています。
呼吸法の利用は、最も効率的に技を有効活用できるのが最大のメリットです。
呼吸法の具体的なやり方は?
合気道の根幹を成す「合気」には、相手との呼吸を合わせながら、制圧する技を加えるといった意味が含有されます。
技を繰り出すために、自分の精神と身体の状態を「自然な状態」にしなければならず、そのために利用されるのが「呼吸法」と呼ばれる心身の鍛錬手法とも言い換えできます。
「呼吸法」では、まず「ゆっくり息を吐き」、2、3秒静止してから「ゆっくり息を吸う」、そして2、3秒静止して「吐く」という呼吸を、意識して繰り返します。
この呼吸を繰り返す際、息を吸うこと、吐くことにのみ意識を集中することが、「呼吸法」の習得のコツです。
呼吸法が習得できれば、相手に掴まれた小手部分を押し出して相手を投げるなどに必要な「押し出す力」も容易にコントロールできるようになります。
その結果、最小限の力で相手を制圧したり、投げ飛ばす結果となり、他の武道にはない合気道の不可思議な様相を可能にします。
合気道の上達だけでなく活用できる呼吸法
合気道の上達のためには、技の運び方ややり方だけでなく、自分の心身状態を自然体とするための「呼吸法」が重要です。
息をゆっくりと吸い、間を取ってから、ゆっくりと吐き出す呼吸を意識して繰り返すことが「呼吸法」のコツで、リラックスした心身の状態を生み出します。
「呼吸法」を意識した心身の動きは、合気道の上達だけでなく、日々の何気ない活動においても精神的な安定をもたらします。
